15/07/2026
【公共用地先行取得等事業債(用先債)問題について】
7月13日(月)、県庁において、第2回持続可能な財政運営検討会(有識者と県による検討会)が開催され、
①公債費負担適正化計画の素案
②公共用地先行取得等事業債
が議題となりました。
▼第2回持続可能な財政運営検討会
https://web.pref.hyogo.lg.jp/kk23/2jizokukanounazaiseiunneikenntoukai.html
▼兵庫県の財政指標、算定誤りで悪化 30年度、都道府県初の「早期健全化団体」転落恐れ|神戸新聞NEXT
https://www.kobe-np.co.jp/news/society/202607/0020584808.shtml
▼【兵庫県の財政ピンチ⁉】最悪のシナリオでは2030年度以降「破綻の一歩手前」転落のおそれ…|MBSニュース
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/mbs/2802271?display=1
①公共用地先行取得等事業債、いわゆる「用先債」の問題については、現在も県当局が経緯を調査しており、なお判然としない部分があります。
これは、②公債費負担適正化計画素案にも共通して言えることですが、検討会の上村がおっしゃる通り、とても資料内容が難しいです。
現時点で、県当局などに確認した範囲では、次のように整理できます。
①何が問題なのか
先行取得した土地を売却した場合、本来はその売却収入を用いて返済すべき県債について、返済せずに借換えを行っていたという問題です。
②財政フレームへの影響
県債の返済額そのものは、現在の財政フレームに織り込まれており、直ちに新たな巨額負担が発生するというものではありません。
一方で、財政指標の算定に誤りが生じており、実質公債費比率については、0.8%程度の修正が必要とされています。
現行の財政フレームでも、今後、実質公債費比率が25%に近づく局面が続くと見込まれています。修正幅だけを見れば大きくないように見えますが、25%という基準との距離を考えれば、その影響は決して小さくありません。
③議会の関与
今回の問題は、議会の議決を経た後の、執行段階で生じた可能性があります。
他の議員からも既に指摘されているとおり、現在の会計制度の下では、議会による決算審査や監査委員の監査に際して提示される資料のみから、今回のような個別具体の案件を把握・特定することは困難であったと推察されます。
議会に示される資料からは、毎年度の借換債の総額などを読み取ることはできます。
しかし、どの年度の、どの事業に係る県債を、いくらの金額、どの利率、どの金融機関、何年の償還期間で借り換えたのかといった、すべての個別案件を網羅した資料が議会に示されているわけではありません。
また、個別案件の数は膨大で、その内容も毎年度変化します。
これらを一件ずつ議会が確認することは、現在の会計制度が想定している議会審査の範囲を超える可能性があり、現実的にも容易ではありません。
一方で、議会が検証の範囲を過度に広げれば、コンプライアンスと合理性を前提として、知事当局に認められるべき、本来の執行上の裁量を制約することにもなりかねません。
(兵庫県は、県政改革推進条例や県基本計画条例等、他府県よりも議会関与の仕組みは進んでいると思います)
どこまでを当局内部の統制とし、どこからを監査や議会による検証の対象とするのか。その境界をどのように設計するかは、非常に難しい問題です。
これは、個別の事務処理の問題にとどまらず、自治体会計制度や内部統制、監査、議会審査の役割分担が内包する構造的な課題とも言えるかもしれません。
しかし、議会としても、こうした事態が起こったことは厳粛に受け止めねばなりせん。
いずれにしても、再発防止策を講じる等の対応は不可欠です。
公債費負担適正化計画の策定も佳境を迎え、兵庫県は、財政健全化に向けた本格的なスタート地点に立とうとしています。
国、すなわち総務省の同意を得る必要がある計画である以上、その実効性や実現可能性に疑念を持たれることがあってはなりません。
当面の至上命題は、実質公債費比率が25%以上となる事態を、絶対に回避することです。
そのためには、当局、議会、県民が、それぞれの役割と責任を果たしながら、共通の危機認識を持って一致団結し、計画の確実な実行と必要な改革に、遅滞なく着手できる体制を一刻も早く整えることが最優先です。
そして、そこにこそ、知事のリーダーシップと手腕が最も強く求められます。
検討会で上村教授が述べられたとおり、県当局の人的資源にも限りがあります。
だからこそ、何を最優先で検証し、何から改革に着手するのか。
優先順位を明確にし、限られたリソースを適切に配分しながら、着実に取り組んでいくことが必要です。
宜しくお願い申し上げます。
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