13/06/2026
昨日の6月議会最終日において、議員報酬の増額に関する条例改正案が可決されました。
私は、議員のなり手不足の解消や、若い世代・女性・現役世代など多様な人材が議会に参画しやすい環境づくりは非常に重要だと考えています。
また、議員報酬を適切な水準に見直していくこと自体に反対しているわけではありません。
しかし、今回の提案については、
・なぜその金額なのかという根拠が十分ではないこと
・議員定数削減との関係性に疑問があること
・報酬増額だけでなり手不足が解消するとは言い切れないこと
・まずは議会改革や政務活動費の充実を優先すべきではないかと考えること
などから、私は反対いたしました。
なお、今回の議決により、議員一人当たり月額43,000円の報酬が増額されることになります。
私は討論でも述べたように、この増額分については可能な限り自己研鑽や議員活動の充実に活用したいと考えています。
具体的には、研修への参加、書籍の購入、先進地視察などの経費に充て、町政に還元していきたいと思います。
また、その用途についても可能な範囲で公開し、住民の皆さまに見える形で説明責任を果たしていきたいと考えています。
以下、本会議で行った反対討論の内容です。
長文になりますが、ご関心のある方はぜひご覧ください。
↓↓↓
議員報酬改定議案に反対の立場から討論を行います。
まず申し上げたいのは、私は議員のなり手不足の解消や、若い世代、女性、現役世代など多様な人材が議会に参画しやすい環境づくりが必要だと強く感じています。
また、地方議会が持続的に機能していくためには、議員活動と生活の両立が可能な環境整備が必要であり、議員報酬を適切に上げていくこと自体を否定するものではありません。
しかしながら、今回提案された報酬改定については、いくつかの課題が残されており、現段階では賛成することができません。
第1に、報酬額の根拠が十分に示されていないためです。
今回の議論では、福岡県内の町村議会議員の平均報酬額が参考とされています。
しかし、なぜ平均額である必要があるのでしょうか。
自治体ごとに人口規模、面積、財政状況、議会活動の実態、地域課題は異なります。
議員報酬は本来、その自治体における議員の職責や活動実態に基づいて検討されるべきものであり、「県内平均だから」という理由だけでは住民への説明として十分ではないと考えます。
第2に、定数削減との関連性に疑問があるためです。
全員協議会では、議員定数と報酬は別の議論であるとしながらも、仮に報酬審議会において十分な増額が認められなければ、定数削減も再検討するとの意見があり、私は大変違和感を覚えました。
確かに住民から見れば、定数削減を行い、その財源を活用して報酬を増額するという考え方は、全体の負担額が増えないため受け入れやすいかもしれません。
しかし、そのような考え方が先行すると、本来議員定数が担っている多様性や地域代表性、委員会運営に必要な専門性といった重要な観点が置き去りにされるおそれがあります。
議員定数は議会の代表性や機能に関する問題であり、議員報酬は議員活動に対する対価や人材確保に関する問題です。
それぞれ異なる目的を持つ議論であり、一方を実現するための手段として他方を利用することには慎重であるべきだと考えます。
仮に定数削減によって多様性や専門性が失われ、行政に対する監視機能や政策提言機能が低下するのであれば、その影響は最終的に住民サービスや町政運営に跳ね返ってきます。
私は、そのような観点からも、両者を結び付けて議論することには賛成できません。
第3に、本当に必要なのは活動を支える仕組みではないかと考えるためです。
若い世代が立候補しにくい理由は、単に月額報酬だけではありません。
仕事との両立、研修機会の不足、情報収集や政策立案に必要な経費負担など、様々な要因があります。
そのような中で、報酬を増額するだけで本当に若い世代の立候補が増えるのかについては検証が必要です。
むしろ、調査研究や研修、政策立案のための政務活動費を適切に整備し、議員活動そのものを支援する仕組みを充実させる方が、議会全体の質の向上につながるのではないでしょうか。
そのため、全員協議会や予算決算常任委員会でも発言しましたが、私は全員一律の報酬増額よりも、研修や視察でキチンと学び、他自治体の知見を持ち帰る人を後押しする政務活動費の充実を希望します。
住民にとっても、「議員の給料が上がった」ではなく、「議員の活動が充実した」と感じられる制度設計の方が理解を得やすいと考えます。
最後に、私は議員報酬の引き上げそのものを否定するものではありません。
しかし、そのためにはまず、なぜその金額なのか、どのような効果を期待するのか、住民にどのような利益をもたらすのかについて十分な説明と議論が必要です。
まず議会改革と政務活動費の制度整備を行い、その上で報酬水準を検討すべきであり、今回の提案は、その点についてなお検討の余地があると考えます。
したがって、議員のなり手不足解消という目的には賛同しつつも、本議案には反対いたします。