【何有荘】
旧稲畑勝太郎邸は日本庭園。南禅寺界隈別荘の一つ。
近代を代表する庭師七代小川治兵衛(通称植治)による作庭。
本来は旧南禅寺境内に属し当時の塔頭の跡地に築造されている。
無鄰菴、対龍山荘、碧雲荘など、現在の南禅寺界隈別荘庭園群の主要な庭園のほとんどが明治維新後の南禅寺塔頭跡と旧南禅寺境内内に築造されている。
明治初期、上知により某氏の所有となりその邸宅となっていたが1905年に稲畑勝太郎氏の所有となり、建物および庭園を改修し「和楽庵」と称された。
「和楽庵」は昭和/大正/明治にかけて内外の要人が訪ねる京都の社交場として活用され、その後所有者が二代目の大宮庫吉に変わると『何か有る様で何も無い。何も無い様で何か有る」という禅の言葉から【何有荘】と命名され現在に至る。
庭園内には「瑞龍」「龍吟」と呼ばれる滝が3ヶ所に設けられ疏水を利用し豊富な滝水を落としている。傾斜地を利用したダイナミ
ックな落差をもつ本庭園は小川治兵衛のなかでもほかに類をみない。そしてその水は琵琶湖疏水と呼ばれる近代産業史上の観点からも重要な存在から現在も未だ直接引き入れられている。
紅葉期には、紅葉の「赤」、滝の「白」、そして芝生や苔の「緑」の見事な調和に包まれるのも特徴のひとつである。
庭内は山沿いに道が完備されており、鐘楼、複数の滝、水車小屋などをみながら山上の草堂まで登ると京都が一望できるスポットも備えている。また南禅寺の三門から岡崎界隈までを見渡すことができ、京の風物詩である「五山送り火」もみることができる。
¥1000で拝観できたが、2005年(7.4)から「非公開」となった模様。
▼略歴
1984年から2006年まで土木建設会社社長が所有
2006年、裁判所の競売にて不動産会社「津多家」が26.3893億円で落札
同年、競売中にも関わらず不法行為により登記事項が変更されていることが発覚。長期にわたる訴訟
2008年、最高裁判決で津多家の勝訴。この間、庭園再生事業を行う
2010年、クリスティーズの仲介により¥80億にて売り出され「Oracle社CEO/Larry Ellison」が購買。売却額は不明
2010年、NHK「ワンダーワンダー」で紹介
▼2010年秋、京都を訪れたSteve Jobs一家はLarry Elisonが"別荘"として所有する「何有荘」を訪れていたのではないか、と噂されている。
http://japan.zdnet.com/cio/sp_stevejobs/35008727/4/
出典: ZDNet Japan「Steve Jobsに関する走り書き」
(by 坂和 敏 2011.10.6)