24/07/2026
【全国研修報告|人口減少時代に地域を支える「セコマ」の挑戦】
全国若手議員の会UPsの研修で、株式会社セコマ(セイコーマート)の丸谷智保代表取締役社長より、「人口減少社会における地域密着経営」について講演をいただきました。
セコマは北海道を中心に1,239店舗を展開し、179自治体のうち175自治体に出店しています。都市部だけでなく、離島や人口1,000人前後の地域にも店舗を構え、「地域の暮らしを守るインフラ」としての役割を果たしています。
講演の中で最も印象に残ったのは、丸谷社長の
「人口減少は止めようがない。それを受け止めて、どう対応するかを考える。」
という言葉でした。
人口減少を前提に、地域の生活を維持するために何ができるのか。その答えとしてセコマは、単なるコンビニチェーンではなく、「食品サプライチェーン経営企業」として、食材の生産から加工、物流、販売までを一体で構築しています。
自社農場で年間2,200トンの野菜を生産し、契約農家とは市場価格に左右されない価格で取引を行うことで、生産者と消費者の双方を支える仕組みを築いています。また、北海道産の食材を活用した商品開発を進め、地域資源を地域の価値へと変えています。
特に興味深かったのが、人口の少ない地域への出店事例です。
紋別市上渚滑地区では、人口約900人、高齢化率40%という地域で唯一のスーパーが閉店しました。そこで地域住民が期成会を立ち上げ、600万円を集めて土地を取得し、市へ寄付。市も建設費を助成するなど、行政・地域・企業が一体となって店舗を整備しました。
さらに、イートインスペースを冬場のバス待合所として活用するなど、地域の実情に合わせた工夫も取り入れられています。
セコマも「人口が少ないからできない」と結論付けるのではなく、「どうすれば地域とともに継続できるか」を考え、品ぞろえや営業時間を地域ニーズに合わせて調整した結果、黒字経営を実現したそうです。
丸谷社長は、
「『赤字覚悟で地域貢献』では長続きしない。地域とともに歩み続けるためには、持続可能な形で事業を続けることが本当の地域貢献だ。」
と語られました。
この考え方は、全国の地方自治体に共通する課題である買物弱者対策や地域交通、地域コミュニティの維持を考える上で、大変参考になるものでした。
また、防災への取り組みも非常に印象的でした。
2018年の北海道胆振東部地震によるブラックアウトでは、多くの店舗が営業できなくなる中、セコマは車両から電源を確保する仕組みを全店舗に備えていたため、いち早く営業を再開しました。
さらに、自家発電設備を備えた物流センターや約48,000リットルの燃料備蓄、自治体との災害協定、さらには「防災担当者同士が携帯電話番号を交換し、避難所ごとの必要物資を直接やり取りできる関係を築くことが重要」という実践的なお話は、行政に携わる私たちにとって非常に示唆に富む内容でした。
物流を単なる配送ではなく、「地域の命を支えるインフラ」と位置付ける姿勢は、防災・減災を考える上でも大きな学びとなりました。
全国の自治体では人口減少や高齢化が進み、地域の商店やスーパーの閉店、物流の維持、災害時の物資供給など、多くの課題を抱えています。
だからこそ今回の講演は、「企業だからできること」と「行政だからできること」を切り分けるのではなく、地域・企業・行政がそれぞれの強みを生かしながら連携していく重要性を改めて考えさせられる研修となりました。
全国若手議員の会では、今後も全国各地の先進事例を学び、それぞれの地域へ持ち帰り、地域課題の解決につなげていきたいと思います。
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