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ひきこもり当事者団体「VOSOT」です。
VOSOTはVoice Of Survivors Of Trauma
(トラウマを生き残った者たちの声)
の頭文字を取りました。
facebookなどのSNSではアルファベットで団体名を登録できないため
別称「チームぼそっと」を掲げました。
VOSOTとチームぼそっとは同じ団体です。

2026年8月22日(土)、KHJ全国ひきこもり家族会高知県支部やいろ島の会さんのご共催とご協力を得て、高知市にある居場所「といろ」で出張ひ老会 in 高知(第89回ひ老会)を開催いたしました。高知県内はもとより香川などの近県からもご来場く...
24/08/2026

2026年8月22日(土)、KHJ全国ひきこもり家族会高知県支部やいろ島の会さんのご共催とご協力を得て、高知市にある居場所「といろ」で出張ひ老会 in 高知(第89回ひ老会)を開催いたしました。
高知県内はもとより香川などの近県からもご来場くださり、当初の定員は15名としていましたが、会場内でビッシリとお詰めいただいて19名の方にご参加いただきました。

東京での「ひ老会」は近年、当事者・経験者の参加が7割を超えていますが、地方での開催では逆に親御さんなどご家族の方の参加が7割以上になる傾向があるようです。ここ高知でもそうでした。

家族の方の第一の関心事は、大方のところ「当事者である子どもとコミュニケーションが取れない」というものです。
ある70代の母親からは、「親としては距離をとっているつもりだが、40代のひきこもり当事者である子は、親である私に依存したくて寄ってくるときと、私から離れたいときがあるようで、こちらとしては常日頃から一貫してどのような距離感で子に接してあげたらよいかわからない」という悩みが語られました。

ある80代の親御さんからは、「当事者である子は、家の中でも自分の存在を感じさせないように息を殺して生活している。だから親の私たちも家の中で声が出せない。気配からすると、どうも子は自分の部屋で酒を飲んだくれているらしい。親は『見守れ』とさかんに言われるが、ほんとうにこのまま見守っていればいいのか、と不安になっている。私たち親が死んだらどうなる、という思いもある」
と心配を口にされました。

このように話題提供や問題提起されたケースをもとに、後半では皆さんの自由闊達なクロストークにより、さかんに意見交換や提言が行われました。
社協などの支援者の方も参加されていましたが、「支援者が話をする時とはまた違った内容と展開。おおいに参考になった」と新鮮に受け止めておられました。

「ひ老会」ではどこで開催しても「親が死んだらどうする」という不安が大きな部分を占める傾向にあります。
その不安が語られるのが、親の立場からであるときと、子(当事者)の立場からであるときでは、不安の内容が少しちがうようにも聞こえます。
すなわち、親の立場から「親が死んだらどうする」と問われるときは、「子であるお前を社会に参加させ経済的に自立させる前に私たち親が死んでしまったら、私たちは親としての務めを果たせないまま一生を終わることになる。それでいいのか」という意味を含んでいるようです。
逆に、子の立場から「親が死んだらどうする」と言っているときには、親が死んだら、生活費の確保、食事や家事など生活のこまごましたことは誰が面倒を見てくれるのか、また葬儀や相続など事務はどうしたらよいのか、という現実的・実践的な心配が主に意味されていることが多いです。

「子とのコミュニケーションが取れない」という不安は「子のことをわかりたい」という切実な希求から出ている焦りでしょう。しかし、それを「子のことをわかって、その先どうする」と問いの段階を変えてみたときに、「子をわかりたい」という気持ちが単に「子のことがわからないという自分の不安から逃れたい」という欲望にすぎなかった、ということもありえます。

こうして2時間半、長期高齢化したひきこもりの問題をめぐって濃密な語り合いがつづきました。
終了後のアンケートでは、「満足」「ほぼ満足」を合わせると回答者の100%を占めました。

終了後も屋外の安全な場所を移して焚火を起こし、暑くもなく寒くもない心地よい晩夏の夜気の中、火を囲んで語り合いはつづきました。

弊団体VOSOTは本年度、他の地方都市へもいくつかお邪魔して出張ひ老会を開かせていただいておりますので、全国で8050問題を始めひきこもりの長期高齢化の問題にお悩みの皆様は、お近くで開催する際にはぜひご参加をご検討いただければ幸いです。
#ひきこもり  #8050問題   #ひ老会  #出張ひ老会

兵庫県西宮市で出張ひ老会を開催させていただきます。一般社団法人いきがいさがしさんのご共催です。元はといえば、いきがいさがしさんの「出張ココリス」の薫陶を受けて、いつもは東京・練馬で開催していた「ひ老会」が本拠地を飛び出し、2024年に西宮名...
15/08/2026

兵庫県西宮市で出張ひ老会を開催させていただきます。
一般社団法人いきがいさがしさんのご共催です。

元はといえば、いきがいさがしさんの「出張ココリス」の薫陶を受けて、いつもは東京・練馬で開催していた「ひ老会」が本拠地を飛び出し、2024年に西宮名塩で開催させていただいたのが「出張ひ老会」の始まりでした。
2年の月日を経て、ふたたび西宮の地でひ老会が開けることをたいへんありがたく思います。
関西地方、とくに阪神地域で8050問題などひきこもりの長期高齢化の問題でお悩みの方、ふだんこういう問題を語る機会がないとお困りの方などいらっしゃいましたら、この機会にぜひお越しください。

#ひ老会  #出張ひ老会  #いきがいさがし  #8050問題  #中高年ひきこもり  #おとなひきこもり 

2026年8月9日(日)、東京・練馬区光が丘区民センターにて講演会シンポジウム「当事者から語るひきこもりと精神医療」を開催いたしました。当日は参加者・スタッフ・キャストを合わせて50名近くの方々にお集まりいただき、大盛況となりました。参加者...
11/08/2026

2026年8月9日(日)、東京・練馬区光が丘区民センターにて講演会シンポジウム「当事者から語るひきこもりと精神医療」を開催いたしました。

当日は参加者・スタッフ・キャストを合わせて50名近くの方々にお集まりいただき、大盛況となりました。
参加者の立場を見てみると、当事者(精神医療消費者)のご家族の方がもっとも多く12名、次いで当事者・支援者がそれぞれ10名ずつとなりました。やはりご家族として精神医療に心配をされている方がそれだけ多いということでしょうか。

登壇者には、双極性障害当事者のなおさん、ReOPA代表のゆまさん、しながわ発達障害成人期診断者会みどる代表の山瀬健治さん、発達障害バーの先駆者であるみなきんぐさん、そしてVOSOT主宰のぼそっと池井多という多彩な面々を迎えました。

ひきこもり自体は精神疾患ではありませんが、ひきこもり状態の中で精神医療というサービスを受ける方は多いものです。そのため、当事者として支援のあり方を考えることと、患者として精神医療に向き合うことは、常に平行線をたどりながらも本質的な問いを共有しています。それは、支援にせよ医療にせよ「そもそも誰のためのものなのか」という根本的な視点です。

今回のシンポジウムでは、精神医療の文脈では「患者」と呼ばれ、ひきこもりの文脈では「当事者」と呼ばれる立場、すなわち精神医療サービスの消費者である当事者自身の視点から「ひきこもりと精神医療」が多角的に語られました。

なおさんは当事者としての精神医療との関わりと就労体験などを語ってくれました。
ゆまさんは精神医療の最先端である共同(協働)意思決定(Shared Decision Making:SDM)について詳しい解説をしてくれました。
山瀬さんは、「ひきこもりの2/3は、じつは発達障害由来なのでは」という自説を極めて論理的に展開してくれました。
ぼそっと池井多は、「対話という正義を考える」と銘打って精神医療の治療共同体やひきこもり界隈といった小さなコミュニティにおける社会構造と、昨今の対話ブームについて語らせていただきました。
みなきんぐさんは、これまでの医療体験から言葉になりにくい違和感について掘り下げてくれました。

開催前は多様な視点が交錯してバラエティ番組のようにまとまりのない場になることも覚悟していましたが、いざ蓋を開けてみると会場全体を一つに貫く深い通底テーマが立ち現れ、登壇者による講演もフロアからの質疑応答も高い熱量と水準に達し、あたかも学術大会のような濃密な場となりました。

具体的には、精神医療におけるインフォームドコンセントとひきこもり支援における本人の自律の問題、さらにはAIの進化がもたらす治療者・患者関係の変化といった先駆的なトピックにまで議論は及びました。また、ひきこもり生活の中で生じる二次障害と「ひきこもりを肯定する態度」がどのように影響し合うのかという、当事者の生の実感に即した考察も深められました。

先月開催した「支援とパターナリズム」というテーマとも響き合うように、かつて精神医療が抱えていた治療者優位のパターナリスティックな態度から、インフォームドコンセントを経て、現代のSDMへと至るパラダイムシフトの重要性についても改めて共有されました。

さらに議論は波及し、「なぜ女子会は多くつくられるのに男子会は少ないのか」というジェンダーや集いの場を巡る問いや、オープンダイアローグへの疑問、そして当事者活動の現場で直面する支援被害の問題など、多岐にわたる切実なテーマがけっして美しい言葉遊びに終わらない文脈で次々と繰り出され、熱のこもった議論によって予定時間を大幅に延長せざるをえない盛り上がりを見せてくれました。
終わった後のアンケートでは「満足」「ほぼ満足」と答えた方が全体の83.8%に達するという結果になりました。

医療や支援という枠組みのなかで、たんに「自律」という端的な言葉にまとめあげるのではなく、当事者自身の声や決定権をいかに実際的に取り戻していくかという問いを会場全体で共有し、深い思考と対話を重ねる貴重な時間となりました。ご参加いただいた皆様、熱心な議論を交わしてくださった皆様に心より感謝申し上げます。

2026年8月1日(土)、第61回オンライン対話会4D(フォーディー)「ひきこもりと報酬」を開催いたしました。今回は国内外から25名の方々にご参加いただき、その約8割をひきこもり当事者が占める時間となりました。対話はファシリテーターからの、...
02/08/2026

2026年8月1日(土)、第61回オンライン対話会4D(フォーディー)「ひきこもりと報酬」を開催いたしました。

今回は国内外から25名の方々にご参加いただき、その約8割をひきこもり当事者が占める時間となりました。対話はファシリテーターからの、「報酬がほしいならさっさと働けばよい」という世間の声と、「お金はほしいが働いたところで報酬は得られない」という当事者の実感の間にあるギャップはなぜ生じるのか、という問題提起から始まりました。

実際のやりとりの中では、地域や職場の人が表立っては差別しなくても内実に滲み出る侮蔑のオーラを感じ取り、その圧倒的な居心地の悪さを差し引くと、たとえお金を得たとしても感情の収支はマイナスになってしまうため「働いてお金を得ても報酬にならない」と語る当事者がいました。

いっぽうでは、そもそも幼少期からの教育によって「お金のために動くこと」を美徳としない価値観がはぐくまれ、お金を報酬としてありがたがる思考経路そのものが自分の中に存在しないのだと振り返る声もありました。

また別の当事者からは、資本主義の奴隷のように意味を見出せない仕事に人生を使うのでは魂が充たされず、ただお金をもらっても報酬感は得られないが、自分の行動に意味を見出せることこそが真の報酬なのだという、すなわち報酬とは意味であるという洞察も示されました。

さらに語弊を恐れずに言えばと前置きしながら、高価な酒や家を手に入れたところで自分が幸福になれると思えず、お金を得ても自己を満たせる使い道がない以上、働くだけ損だと感じるという苦悩を明かす方もいました。

そうした議論を経て、ひきこもりが長期化し親亡き後の孤独を見据える中で、自分が真に欲している報酬とはお金ではなく家族や伴侶という人との繋がりなのだと思い至った、という切実な声も共有されました。

結局、人が報酬としても求めるものは「承認」であり、それがその場のコンテキストによって賃金というお金のかたちになったり、尊敬やリスペクトというかたちになったり、あるいは得恋の悦びなどエロス的な形態になったりするのではないか、という話になっていきました。

世間が当然なものとして見なす「労働の対価=お金=報酬」という方程式を解きほぐし、それぞれの生存や充足にとっての「本当の報酬とは何か」を深く問い直す、豊かな対話のひとときとなりました。

なお、事前の接続URL送付の際、一部に不備がありご迷惑をおかけいたしましたことを、この場をお借りして深くお詫び申し上げます。次回も皆様と深い対話ができることを楽しみにしております。

20/07/2026
【ご報告 講演&トークショー「支援とパターナリズム」を開催】7月18日、東京・練馬の光が丘区民センターにて、フリーソーシャルワーカーの根本真紀さんをゲストにお迎えし、講演&トークショー「支援とパターナリズム」を開催いたしました。当日は一般参...
20/07/2026

【ご報告 講演&トークショー「支援とパターナリズム」を開催】

7月18日、東京・練馬の光が丘区民センターにて、フリーソーシャルワーカーの根本真紀さんをゲストにお迎えし、講演&トークショー「支援とパターナリズム」を開催いたしました。

当日は一般参加者・スタッフを合わせて計45名の皆さまにご来場いただき、「支援のあり方」や、支援の現場における人間関係をめぐって、笑いをまじえながらも真摯な議論が交わされる濃密な時間となりました。

「よかれと思って」という支援が、いつのまにか被支援者の人生を乗っ取るかのような事態となる……。そんな支援の現実に多くの支援者が直面する危機感、あるいは支援を受ける立場の当事者がいだくモヤモヤ感について、まずは何よりも現場を大事にしている根本さんから深いお話を伺いました。

その後、「支援とパターナリズム」という問題軸から今年2026年現在のひきこもり支援の現場で起こっている数々の問題点を、ぼそっと池井多のほうから話題提供させていただきました。

その後「トークショー」として、会場の皆さまからのご発言、質疑応答を加えて全体で対論いたしました。

アンケートでは9割以上の方が「満足」「ほぼ満足」とご回答いただき、自由記述の欄にはこちらにとって深い学びとなる貴重な気づきや感想が寄せられていたので、その一部をご紹介いたします。

📌 参加者の皆さまの声(アンケートより抜粋)

「このテーマに、これだけの人が集まるのだという光景に出会えたことがいちばん良かった」

「3時間(という開催時間)があっという間に過ぎていました」

「問いに答えが出るのでなく、かえって問いが増えたのが良かった」

「モヤモヤしていた現状に対し、どこから考えればいいかというきっかけをもらった」

「ぼそっとさんのユーモアあふれるファシリテーションと、根本真紀さんの軽快な語りがあいまって、難しい福祉の問題がわかりやすく理解できました」

「自治体がやっているひきこもり支援にどこか腑に落ちないところがあったが、今日のシンポジウムを聞いてその根幹がわかってすっきりした」

「尊重と放置のバランス。0-100ではなくグレーゾーン」

「福祉や支援では『美しい言葉にはご用心』」

「『パターナリズムのない支援は暴力である』という考え方は熟考に値する」

「『隣(とな)る人にはどうあれたらよいか』という言葉が印象的」

「『よりそう』とは、本人が自分の思いを言葉にするまでの揺らぎの時間をともに過ごすこと」

「自己決定したのでなく、他人(支援者)に勧められてやったことなら、失敗もそれほど落ち込まないかも」

「支援される側の「支援されると悔しい」という感情にどう向き合うか、支援者として考えることができた」

「当事者が支援者の支援をするという関係性」

💡💡💡

主催者一同も深く感じ入る、これからの活動に持ち帰るべき宿題をたくさんいただいた一日でした。

ご来場いただいた皆さま、そして素晴らしいお話を展開してくださった根本真紀さん、本当にどうもありがとうございました。

今後も弊団体VOSOT(facebook上では「チームぼそっと」)は、支援のあり方について、支援を受ける立場から考える機会を作っていきたいと思いますので、ご関心のある方はどうぞよろしくお願いいたします。

2026年7月4日、第60回オンライン対話会4D(フォーディー)「ひきこもり給付金を考える」を開催しました。参加者は約30名。その多くは、ひきこもり当事者・経験者で、ご家族(親)の立場の方は少数でした。 そのためか、この日の議論は、ひきこも...
04/07/2026

2026年7月4日、第60回オンライン対話会4D(フォーディー)
「ひきこもり給付金を考える」
を開催しました。

参加者は約30名。その多くは、ひきこもり当事者・経験者で、ご家族(親)の立場の方は少数でした。
そのためか、この日の議論は、ひきこもり家族会などで語られる「ひきこもり給付金」「ひきこもり年金」の議論とは、ずいぶん趣の異なるものとなりました。

家族会では、
「ひきこもりは社会問題であるにもかかわらず、生活保護や生活困窮者自立支援制度の対象とならない人への支援が制度上の空白になっている」
という点から、「ひきこもり給付金」の必要性が語られることが少なくありません。
しかし、この日の対話では、たとえば或る当事者から次のような意見が出されました。
「ひきこもっていると、若いうちに年金保険料を納められない。その結果、高齢になって受け取る年金額が少なくなり、老後の生活が苦しくなる。だから、若いうちから年金を納められるようなひきこもりへの現金給付制度があったほうがよい。」
これは、「いま生活が苦しいから支援がほしい」というだけではなく、「将来の老後を見据えて給付金を考える」という視点でした。

いっぽうで、現行制度では年金だけでは生活できない場合には生活保護によって不足分を補う仕組みがあります。それを考えると、「生活保護という制度があるにもかかわらず、なぜ別に『ひきこもり給付金』『ひきこもり年金』が必要なのか」という問いに対する答えを持たないと、制度設計を考えるうえで説得力のある論理は生まれないようにも思われます。

今回の4Dでも、韓国からの参加者がいらっしゃいました。京畿道など韓国の一部の自治体では青年年金という制度があります。これは、ひきこもりを含め働いていない青少年が人生を立て直すために自治体から日本円にして年10万円ほどが、その地域だけで利用できる電子マネーとして支給されるというものです。私の感覚では、日本の年16万円ほどの価値があるように感じられます。
これは日本で議論されている「ひきこもり給付金」「ひきこもり年金」とは少しちがいますが、ひきこもり状態にある者への行政からの経済的支援という点で共通しており、たいへん参考になりました。

「ひきこもり給付金」があれば、少なくとも子どものひきこもり状態に対して厳しく介入してくる親や家族を宥和させる効果はあるだろう、という意見もありました。つまり、
「ぼくがひきこもっているおかげで、このひきこもり給付金というお金が我が家に入ってくるんだぞ」
といえば、親も「ひきこもりでいること」を責めにくくなる 、というものです。

また、「ひきこもり給付金」「ひきこもり年金」を実施するには、まずその法的根拠が必要となります。それがおそらく「ひきこもり基本法」と仮称されている、かねてより懸案になっている法案でしょう。

けれども、どのような法律であったにせよ、受給者の要件を法令で定める必要があります。「ひきこもり給付金」である以上、それが給付される「ひきこもり」の定義や範囲を定める必要があるわけです。
いっぽう、2025年厚生労働省によって定められた「ひきこもり支援ハンドブック」では、「ひきこもり」の定義を定めず、支援の対象となるのはすべての「生きづらさ」を抱える人と規定しました。これと整合性を持たせてひきこもり給付金を支給しようとすると、支給の対象はすべての生きづらさを抱える人ということになります。ところが、人間だれしも生きづらさを抱えているにちがいありません。すると、「ひきこもり給付金」は実質的に全国民を対象とした制度になってしまいます。

これは概念的には「ベーシック・インカム」であり、もはや「ひきこもり給付金」ではありません。また、これを実現するのに必要な財源はどこから持ってくるのか、また財源を確保するためには社会全体の産業構造やエネルギー政策まで含めた大変革が必要になるのではないか、日本人はその変革に耐えられるか、と次第に議論が深まっていきました。

4Dでは、賛成・反対を決めることではなく、互いの考えを持ち寄りながら、一緒に磨いていくことを大切にしています。
今回も、「ひきこもり給付金が必要か、不要か」という結論を急ぐのではなく、制度の背景や目的を一つひとつ確かめながら、多様な立場から考えを深める時間となりました。
一つのテーマを入口に、制度や社会の仕組みそのものまで視野を広げて考えていく——それが4Dという対話の場の特徴です。

#ひきこもり  #8050問題  #ひきこもり基本法  #おとなひきこもり

2026年6月14日(日)、HK広島県もみじの会のご共催とご協力を得て、広島市で出張ひ老会 in 広島(第86回ひ老会)を開催いたしました。広島県内はもとより山口などの近県、はては遠く長崎からもご来場いただき、参加者は25名を数えました。今...
18/06/2026

2026年6月14日(日)、HK広島県もみじの会のご共催とご協力を得て、広島市で出張ひ老会 in 広島(第86回ひ老会)を開催いたしました。
広島県内はもとより山口などの近県、はては遠く長崎からもご来場いただき、参加者は25名を数えました。

今回は前半に広島市からの出張講座として「エンディングノートの書き方」をご講義いただきました。
8050問題を抱えるご家庭で、とつぜん親御さんが亡くなり、当事者である子はどこにどれだけの資産があるのかのみならず、印鑑や通帳の在り処もわからず困ってしまったというお話を多くお聞きしますが、そういう時のための備えとしてエンディングノートはたいへん役立ちます。リヴィング・ウィル(遺言書)とちがって法的拘束力がない一方で、そのために気楽に書けるといった利点もあります。
ただ、健康で生きている人はあまり書く気にならないというのも常であり、そこをどのように考えたらよいか、気持ちの持ち方といった細かなことにも踏み込んで共有されました。

後半はいつも私たちひ老会が東京・練馬でやっているとおりシェアリング・タイムと称して、それぞれが抱えているひきこもりの長期高齢化の問題を語り合いました。3時間はあっという間に過ぎ去り、話し足りない、聞き足りない思いをされた方もいらっしゃったかもしれません。
開催後のアンケートではほとんどの方が「満足」と回答され、「日頃は言えない思いを吐き出せた」「苦しい状況は自分だけではないと思えた」「社会とのつながりが感じられた」「知識や情報など情報が仕入れられた」とレスポンスしてくださいました。
本年度は、他の地方都市へもいくつかお邪魔して出張ひ老会を開かせていただくつもりですので、8050問題はじめひきこもりの長期高齢化の問題にお悩みの皆様はどうぞよろしくお願いいたします。

#ひきこもり  #8050問題

弊団体VOSOTが令和7年度通常予算WAM助成事業としておこなった「『ひ老会』とその運営」の報告書はこちらの送付申込みから公開しております。
19/05/2026

弊団体VOSOTが令和7年度通常予算WAM助成事業としておこなった「『ひ老会』とその運営」の報告書はこちらの送付申込みから公開しております。

弊団体VOSOTは令和7年度通常予算WAMによって作成した報告書「『ひ老会』とその運営」をインターネットにて公開しております。送付ご希望の方は、このフォームに記入してご送信ください。

2026年5月16日、第84回「ひ老会」を開催いたしました。私たちVOSOTで開催しているイベントのうち、オンライン対話会4D(フォーディー)は国際色豊かであり、国外からも多くの参加者がいらっしゃいます。しかし、それに対してひ老会は、リアル...
17/05/2026

2026年5月16日、第84回「ひ老会」を開催いたしました。

私たちVOSOTで開催しているイベントのうち、オンライン対話会4D(フォーディー)は国際色豊かであり、国外からも多くの参加者がいらっしゃいます。しかし、それに対してひ老会は、リアル対面で開催している形態のために、どうしても日本人の参加者だけで占められる傾向がありました。

ところが、この回は奇しくも3人の方が韓国から参加され、体験談を語り合うシェア・ミーティングの時間も通訳を介して国際的なものとなりました。
3人とは、まず一人目が日本への留学生Aさん、二人目はひきこもりの兄弟姉妹で韓国は江原道(カンウォンド)という自治体で初めての当事者会を運営されているBさん、そして三人目は江原道から派遣されてきた記者のCさんです。

昨年9月に、私は京畿道(キョンギド)という自治体からお招きいただいて水原市(スウォンシ)という所で講演させていただいたことがあったので、その北東隣にある江原道のことも少しイメージがわきました。

外国のひきこもりのお話を聞くたびに思うのですが、ひきこもりに到るまでの経緯や経過、ひきこもっている様子は、驚くほど日本と同じです。
よく、日本でひきこもりが生み出されるのは日本の社会が悪いためだ、という人々がいますが、そういう人々の多くは自分たちの理論が崩れ去ってしまうことを恐れているのか、海外の事例と謙虚に向き合おうとしません。

もしひきこもりを社会問題としたいのなら、日本社会だけに窄めた狭い視野で考えるのではなく、地球上の多くの国々でひきこもりや孤独孤立が問題になっているこの現代という時代を巨視的に考えなくてはならないことでしょう。

さて、ひきこもりに到るまでの経過や態様が同じであっても、やはりそれぞれの国において文化や国民性が微妙にちがうので、当事者活動にも小さな違いが出てくるようです。
Bさんは、ひ老会で発言する日本の参加者の皆さんが、苦しい体験談も冷静に淡々とした口調で語るさまを見て、深い印象を受けていました。
「韓国では、参加者たちはみな語りながら怒ったり泣いたりしてしまうのです」
とのこと。

怒りは、その場にいる他の参加者たちに向けられるようであれば、好ましいものではないかもしれません。たとえば、どこの国でも男性のひきこもり当事者にとってモテないということは切実な悩みであるようです。しかし、それを本人の自己改造の努力不足を棚に上げて、
「韓国の女性はみんな見る目がないから、自分はいつまでもモテないままで、それゆえに働く気にならないのだ」
と理屈づけて、目の前にいる女性たちに怒りをぶつけてくる男性参加者に閉口している、とBさんはおっしゃいます。
私に言わせると、それはなにも韓国特有の現象などではなく、日本でもそういうタイプの男性参加者はいます。怒りの矛先が「韓国の女性」でなく「日本の女性」に替わるだけの話です。

しかし、当事者会で涙を流す参加者についてはどうでしょう。
誰の迷惑になるわけでもないし、私はまったく問題だと思わないとお答えしました。
たしかに一般的な国民性として、韓国の人々は感情が激しく、日本人は感情表現に乏しいといった傾向があり、それが反映されている部分もあるのでしょう。

けれども、「涙を流せる当事者会」「泣ける当事者会」というのはすばらしい場だと思うのです。それだけ参加者が安心して自分の感情を解き放っている証拠です。

日本では逆に当事者会というと、自分だけ雰囲気を湿っぽくしてはいけないと気を遣い、参加者たちがカラ元気で陽気にふるまうところがたくさんあるようですが、そういう小さな無理をしなくてもよい空間がほんらいの当事者会だと私は思うので、むしろその点は韓国の当事者会に見習い、ひ老会も「泣ける当事者会」をめざしたい、と申し上げました。

住所

Nerima-ku, Tokyo
178

ウェブサイト

アラート

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