CWI JAPAN - 国際連帯 cwi日本支部

CWI JAPAN - 国際連帯 cwi日本支部 JP: 国際連帯(CWI)JAPANは国際団体CWIの日本支部です。

EN: 国際連帯(CWI)JAPAN is a Japanese branch of CWI, The Committee for a Workers' International. Join us today!

JP: CWI (The Committee for a Workers' International)は世界40カ国に支部をもつ国際団体です。社会主義の思想のもと、世界中の労働者や若者達との連携を図ってきました。日本支部では、小規模ながら国際的な視野をもった活動を行っています。


EN:The Committee for a Workers' International has parties, groups and individuals in over 40 countries and on every continent around the world. We stand shoulder to shoulder with workers and young people across the globe in their struggles against the attac

ks of the bosses and for a fairer, better society. The Japanese branch aims to bring the idea of CWI and international perspective into Japanese society.

15/07/2026
【京都/2026年6月28日】 6月28日、京都市内にて極右勢力による「反移民」を掲げたデモ行進が行われ、これに対抗する形で京都ガザデモの有志や日本共産党の若手活動家、ペンライト・ムーブメントのメンバーらがカウンター(対抗)行動を展開した。...
29/06/2026

【京都/2026年6月28日】
 6月28日、京都市内にて極右勢力による「反移民」を掲げたデモ行進が行われ、これに対抗する形で京都ガザデモの有志や日本共産党の若手活動家、ペンライト・ムーブメントのメンバーらがカウンター(対抗)行動を展開した。現場には国際連帯のメンバーも合流し、多国籍な市民社会の声を届けるべく抗議の列に加わった。
 右翼勢力は午前10時に佛光寺公園へ集結し、午前11時より河原町通から御池通にかけてデモ行進を開始した。右翼側の動員がわずか13人にとどまったのに対し、カウンター側は2倍以上となる25人が結集。現場にはいずれの参加者をも上回る32人の警察官が配置され、参加者・抗議者1人につき警察官約1人が張り付くという極めて厳戒な体制が敷かれた。カウンターデモは、異なる市民グループ間の急な連携ゆえに、局所的な足並みの乱れは見られたものの、数的な優位性を活かして右翼隊列への先回りや並走を行い、拡声器や多言語フライヤーを通じて市民へ直接訴えかけた。
 カウンター側は、地元京都の市民を中心に、観光客や外国人労働者へもアプローチを展開。排外主義の欺瞞を突くだけでなく、現代の社会経済的課題の本質は「外国人労働者」にあるのではなく、むしろ「政治の貧困と(一部資本の)強欲さ」に起因するものであることを理路整然と説いた。沿道の市民からは概ね好意的な反応が得られ、ある年配の日本人女性が「京都でこのような極右のデモが許されるなんて信じられない」と語り、カウンターの取り組みを称賛する一幕もあった。
 行進は正午過ぎ、京都市役所前付近で終了した。終盤には一時的な小競り合いが発生したものの、全体として右翼側の排外主義デモは自らの孤立と存在感の薄さを露呈する結果に終わった。今回の行動は、ヘイトスピーチの不当性を浮き彫りにしただけでなく、結果として「労働者の連帯」や「民族的寛容」、そして社会を支える移民労働者の権利擁護の重要性を広く可視化させる、意義深い対抗戦となった。

第2部|労働者階級の役割 世界の資本家階級によって搾取される労働者階級の無償労働こそが、資本家たちの利潤の土台となっている。現代の労働者階級は、歴史上かつてないほど巨大化し、都市化している。世界全体で就労年齢人口は40億人を超える。今日では...
14/06/2026

第2部|労働者階級の役割
世界の資本家階級によって搾取される労働者階級の無償労働こそが、資本家たちの利潤の土台となっている。現代の労働者階級は、歴史上かつてないほど巨大化し、都市化している。世界全体で就労年齢人口は40億人を超える。今日では人類の半数以上が、生産、物流、輸送、サービス、公共インフラが整った都市部に集中している。
労働者階級とは、工場労働者や肉体労働者だけを指すものではない。賃金や給料によって生活する圧倒的多数の人びとがそこに含まれる。看護師、教師、コールセンター職員、倉庫労働者、IT技術者、運転手、接客業労働者などもその一部である。また、賃金・給与労働者に生活を依存する人びと、たとえば労働者階級の若者、失業者、年金生活者なども含まれる。
労働者階級は、資本主義を打倒する力を持っている。その力は、単に人数の多さだけではない。もちろん、それも重要であり、労働者階級は世界人口の多数派を占めている。しかしさらに重要なのは、労働者階級が獲得しうる「集団意識」である。それは資本主義経済における労働者階級の位置から生まれる。労働者は、職場や地域社会において、おおむね共通した条件のもとで生活し、同じような困難に直面している。こうした集団的な階級としての経験と意識、そして行動には、労働組合のような集団的組織が必要となり、連帯が強まる。数多くの革命運動や階級闘争が示してきたように、労働者階級は民主的な集団組織形態へと向かう傾向がある。
 資本主義のもとで労働者階級が置かれている搾取状態そのものから、経済の中枢部門の社会的所有の必要性が生まれる。資本主義に対する闘争のなかで鍛えられた労働者階級の民主主義的本能は、労働者国家の建設にも引き継がれていく。
 自営業の専門職、小規模事業者、小農民など、社会の多様な中間層もまた、資本主義がもたらす耐えがたい重圧を終わらせるという点で、労働者階級と利益を共有しうる。しかし、資本主義打倒の闘争の先頭に立ち、それを最後までやり遂げるだけの力と集団的階級意識を持っているのは労働者階級だけである。マルクスの言葉を借りれば、あらゆる被抑圧・被搾取階級のなかで、労働者階級だけが単なる「即自的階級」にとどまらず、「対自的階級」、すなわち社会主義建設を担いうる自覚的・組織的な力へと発展する可能性を持っている。

社会主義政府と労働者国家

 労働者階級は社会を掌握しなければならない。そのためには、あらゆる国で資本主義国家を解体し、それに代わる労働者国家を建設する社会主義革命が必要となる。こうした国家は、労働者と地域社会から定期的に選出された民主的評議会を基礎とする、より高度で徹底した民主主義にもとづくものとなる。これらの評議会は、選挙で選ばれ、いつでも解任可能な代表によって構成される。専従役員の賃金は熟練労働者の賃金を超えず、役職や職務も定期的に交代される。
 すでに資本主義のもとでも、世界経済を支配する巨大多国籍企業は、その内部で高度な経済計画を行っている。大半の国の国家経済を上回る規模の多国籍企業も多い。経済の「中枢」の私的所有を廃止することによって、社会主義経済は、資本家階級の利潤を生み出すためではなく社会の必要を満たすために、民主的に計画・運営されるようになる。そうなれば、すべての人への雇用保障、生活水準の向上、公共サービスの拡充が可能となり、さらに環境・気候危機のような長期的課題にも取り組むことができる。また、現代技術が秘めている巨大な可能性も実現できる。
 資本主義が世界同時に打倒されることはないだろう。どこかの国の労働者階級が、労働者国家を率いる社会主義政府として、最初に権力を握ることになる。そうした労働者国家が建設され、相互に協力を進めていくなかで、民主的に計画された世界経済を基礎とする世界的な社会主義社会への土台が築かれていく。社会主義建設の課題は、最終的には世界的規模でしか完成されえない。
 労働者階級と若者は、階級闘争のなかで驚くべき創意や即応力を発揮することができる。しかし、「自然発生的」な蜂起は、どれほど力強くても、意図せぬ方向に逸れていったり、取り込まれたり、最終的には押し潰される危険性を持っている。だからこそ労働者階級は、革命政党という組織された勢力を築かなければならない。そのような政党は、革命的蜂起のただなかでゼロから作り出せばよいというものではない。事前の準備活動が不可欠である。少なくともその核となる組織をあらかじめ築いておかなければならない。それは労働者階級に根を張り、その思想と方法への信頼を築き、日々の闘争のなかで鍛えられたものでなければならない。革命政党は、資本主義を廃絶するために必要な課題を明確に示す綱領によって武装されていなければならない。
 その課題には、社会主義政府と労働者国家という形の労働者階級政権を打ち立てるための、大衆革命闘争が含まれる。その社会主義的経済の土台は、すべての国における経済中枢の公的所有にある。そこには銀行や金融機関も含まれるが、労働者階級、中間層、小規模事業者の預金は保障される。また、新植民地主義諸国の債務は帳消しにされる。これによって、富裕層が資産を隠し増殖させるために利用している抜け穴、タックスヘイブン、投機的金融メカニズムを廃止することが可能になる。さらに、鉱業、建設、運輸、製造業、通信、「ビッグテック」、卸売・小売・流通など主要部門の大企業・独占企業に加え、大規模アグリビジネスや大規模商業農場も対象とする。一方で、小規模農家や自給的農民には支援と債務帳消しが行われる。公有化された部門は、社会の必要を満たすための民主的社会主義的生産計画にもとづいて統合される。また、再生可能エネルギーへの大規模投資や公共交通の拡充などを通じて、環境・気候危機の解決にも取り組む。労働者国家同士の協力は、世界社会主義経済と民主的な国際計画の発展の基礎を築くことになる。

Committee for a Workers’ International の行動綱領を、日本語で数回に分けて掲載します。こちらが第1部です。第2部と第3部も続いて掲載する予定です。革命家の任務とCWIの役割本書は、CWIウェブサイト「s...
26/05/2026

Committee for a Workers’ International の行動綱領を、日本語で数回に分けて掲載します。こちらが第1部です。第2部と第3部も続いて掲載する予定です。

革命家の任務とCWIの役割
本書は、CWIウェブサイト「socialistworld.net」掲載の記事・文書(英語)や、支部の資料などとあわせて読まれるべきものである。また本綱領は、CWIウェブサイト(英語)で、『CWIの歴史的基礎と革命的社会主義インターナショナルをめぐる闘争(Historic Foundations of the CWI and the Struggle for a Revolutionary Socialist International)』とともに発表されているが、こちらの文書では、CWIの政治的・理論的基礎と、その歴史的発展の概要が示されている。

第1部|資本主義の危機と社会主義という選択肢
 21世紀に入り、資本主義体制の腐敗はあらためて明らかになった。世界には膨大な富があり、科学技術も飛躍的に発展している。しかし、その一方で多数の人びとの基本的な生活すら保障されていない。戦争と紛争も拡大している。
 資本主義とは、少数の資本家による生産手段の私的所有を土台とする社会である。そこでは、人間の必要に応じてではなく利潤のために生産が行われ、競争が支配し、人類の圧倒的多数である労働者階級への搾取が続けられる。また資本主義は、周期的に経済危機を生み出し、世界を、対立する資本主義国のブロックへと分断する。
 資本主義が引き起こした環境・気候危機のしわ寄せを受けるのは、貧困層や労働者階級の地域社会である。しかし資本主義には、この危機を根本的に解決する力がない。さらに資本主義は、人種差別やさまざまな差別・抑圧を生み出し、女性、LGBTQ+の人びと、障害者、その他のマイノリティへの抑圧を再生産する。どれほど大きな人的犠牲を伴おうとも、資本主義の論理は、富の蓄積をどこまでも大きくするために搾取を拡大し続けることにある。
 かつての植民地保有国や今日の主要帝国主義諸国を含む、ヨーロッパの大部分、北米、日本を含む資本主義経済大国は、深い構造的危機に陥っている。そしてそのツケを支払わされているのは労働者階級である。低成長と慢性的な経済不安定によって生活水準は低下し、生活費の高騰で暮らしはますます苦しくなっている。こうした状況は広範な社会的不満を生み出し、階級闘争を激化させる。同時に支配階級は、資本主義政治機関への不信の拡大という形で、政治的正統性の危機にも直面している。
 ラテンアメリカ、アフリカ、アジアの旧植民地諸国は、とりわけ第二次世界大戦後、それぞれ異なる道をたどってきた。一部の国や地域では経済発展が進み、相当規模の「中間層」が形成された場合もある。中国は独自の「モデル」によって世界第二の大国へと成長した。中国では資本主義的経済関係が支配的となっている一方、中国共産党国家はなお強力な統制手段を維持し、資本主義の発展を一定程度コントロールしている。このモデルを他国がそのまま再現することはできないだろう。
 だが、中国であれ、より典型的な資本主義政策によって成長してきた国々であれ、その経済発展は深刻な矛盾を抱えており、極端な格差を生み出している。何億もの人びとが取り残され、極度の貧困に苦しんでいる。世界では今なお10人に1人が極貧状態に置かれている。まともな住居も、安定した電力も、十分な食料も、清潔な水も、衛生設備も得られない人びとが無数に存在する。その結果、本来防ぐことのできる病気や早すぎる死が生み出されている。新植民地主義世界の多くの人びとにとって、生活は今なお「貧困、卑劣、残虐、短命」なものにとどまっている。飢餓や貧困、紛争の犠牲となっている何百万もの人びとに対して、資本主義は何の未来も示していない。
 先進資本主義国の若い世代は、近代史上初めて、自分たちの親世代より低い生活水準に直面する世代となった。彼らは資本主義社会に対して以前の世代ほど利害を共有しておらず、その正当性そのものに疑問を抱くようになっている。この変化はすでに政治意識にも表れており、「社会主義」への関心の高まりや、闘争への積極性として現れている。
新植民地主義諸国でも、教育やソーシャルメディアへのアクセス拡大によって、これまでの世代とは違う人生への夢や希望が膨らむ。しかし、その夢と、新植民地主義的資本主義のもとで現実に与えられる機会との落差はあまりにも大きい。そのため、若者たちが社会的反乱や暴動の先頭に立つことになることも多い。
 資本主義が機能していないのであれば、それに替わる選択肢は何なのか。
 資本主義は部分的・漸進的な改革によって「修正」できる、と主張する人びともいる。確かに、労働者階級が一定の前進を勝ち取ることは可能であろう。しかしそれは、大衆的闘争、あるいはその可能性への恐れによってのみ実現される。そして資本主義のもとでは、そうした成果は一時的なものにとどまる。今日では、小さな譲歩ですら資本家階級によって激しく拒まれている。たとえば、第二次世界大戦後のヨーロッパにおける「福祉国家」は、一時的な例外にすぎなかったことが証明されている。労働者階級と世界の貧困層が恒久的な前進を実現するためには、資本主義そのものを打倒しなければならない。
 また、一部の中間層や若者のあいだでは、労働者協同組合や各種の協同組合、「相互扶助」の取り組みに期待を寄せる傾向もある。彼らは、それを社会主義的変革よりも容易な資本主義への代替案とみなしている。しかし本質的には、これらはいずれも資本主義の枠内で別の仕組みを築こうとするものである。こうした試みは一定の可能性を示すことはあっても、最終的には資本主義市場の力に従わざるを得ない。規模が拡大すればするほど、競争やコスト削減の圧力も強まる。しかも多くは小規模かつ局地的な取り組みにとどまり、多国籍企業に対抗したり、経済全体を計画的に運営したりすることはできない。
 CWIは、資本主義に対する唯一のオルタナティブは社会主義であると主張する。社会主義とは、特権的エリートによる国家統制ではない。また、単なる「より良い福祉制度」でもない。社会主義とは、経済の社会的所有を基礎に、利潤ではなく人間と環境の必要のために生産を行い、競争ではなく国際的協力にもとづき、市場経済ではなく民主的計画経済によって社会を運営することである。このような基礎の上でのみ、圧倒的大多数により、圧倒的大多数のために、社会を回す力を行使し、人類と地球の必要を満たすことができる。
 では、どのようにして資本主義を終わらせ、社会主義を建設するのか。

5月1日国際連帯ビラ。
04/05/2026

5月1日国際連帯ビラ。

【大阪/2026年5月1日】 5月1日、国際労働者の日(メーデー)が大阪・中之島にて開催され、今年で97回目を迎えた本集会に、各労働組合の組合員とともに国際連帯のメンバーが参加した。 当日は主催者や労働組合関係者による挨拶・スピーチに加え、...
04/05/2026

【大阪/2026年5月1日】
 5月1日、国際労働者の日(メーデー)が大阪・中之島にて開催され、今年で97回目を迎えた本集会に、各労働組合の組合員とともに国際連帯のメンバーが参加した。
 当日は主催者や労働組合関係者による挨拶・スピーチに加え、音楽演奏などが行われ、その後、大阪市内をめぐるデモ行進が実施された。参加者はおよそ400人規模となった。
 行進は市街地を通過しながら、労働者の権利や国際的な連帯の重要性を訴える形で進められ、比較的落ち着いた雰囲気の中で進行し、大きな混乱もなく終了した。
 また、国際連帯は当日にあわせて特別号のビラを作成し、参加者への配布を行った。

【大阪/2026年3月24日】3月20日、大阪・御堂筋およびアメリカ村一帯にて、在日コリアンや外国人労働者・留学生、労働組合関係者、ならびに日本の市民活動家と国際連帯のメンバーが参加・協働する実行委員会を中心に、反戦および反排外を掲げたデモ...
24/03/2026

【大阪/2026年3月24日】
3月20日、大阪・御堂筋およびアメリカ村一帯にて、在日コリアンや外国人労働者・留学生、労働組合関係者、ならびに日本の市民活動家と国際連帯のメンバーが参加・協働する実行委員会を中心に、反戦および反排外を掲げたデモが実施され、心斎橋周辺を経由する形で市民に向けてその趣旨を訴えながら行進した。
 当日はおよそ250~300人規模の参加があり、運営面では日本の活動家が中心的な役割を担いつつ、国際連帯のメンバーや、労働組合を通じて参加した外国人労働者など、多様な担い手が連携して準備・運営が進められた。
 デモは買い物客や観光客でにぎわうアメリカ村の通りを含むルートで行われ、沿道では足を止めて見守る人や、手を振るなどして応じる人の姿も見られた。多言語で作成されたプラカードやビラが用いられ、音楽や打楽器を伴う表現も交えながら、比較的和やかな雰囲気の中でデモは進行し、無事に終了した。
 今回のデモは、政治家やメディアを中心に広がる外国人排斥的な言動の増加や、ベネズエラ、ガザを含む中東地域、イランなど世界各地で続く紛争の拡大を背景に、国内外の平和と多文化共生を守る必要性から行われたものである。

18/03/2026
チームみらい 新しいテクノロジー、古い発想 最近行われた日本の衆議院選挙で議席を伸ばした政党の一つが、比較的新しい政党であるチームみらいである。昨年5月に結成されたばかりのこの党は、今年2月の衆議院選挙でわずか14人の候補者しか擁立しなかっ...
14/03/2026

チームみらい 新しいテクノロジー、古い発想
 最近行われた日本の衆議院選挙で議席を伸ばした政党の一つが、比較的新しい政党であるチームみらいである。昨年5月に結成されたばかりのこの党は、今年2月の衆議院選挙でわずか14人の候補者しか擁立しなかったにもかかわらず、比例代表で11議席を獲得した。名簿には30代の候補者が多く含まれており、自民党や、覇気のない中道野党(その多くは変わりばえのしないオジサン政治家に、申し訳程度に女性候補が加えられているような顔ぶれ)と比べて、明らかに若々しい印象を与えている。高市と同様、彼らもまた既存政党とは異なる存在に見えた。極右国家主義・反外国人を掲げる参政党から若者票の一部を奪ったと言うコメンテーターもいる。ポピュリズムが広がる時代にあっては珍しく、同党の党首で元AIエンジニアの安野貴博はポピュリズムを否定し、自党は「分断を煽らない、誰かを貶めたりしない」と主張している。
 参政党を拒否した若者の一部がチームみらいのような政党に向かったこと自体は前向きな動きではあるが、チームみらいが社会の分断を乗り越えられる政党であるとは到底言い難い。今回の選挙で、消費税の削減や廃止を求めることを拒否した数少ない政党の一つが彼らであった。その理由として彼らは、減税によって生じるさらなる負債が将来世代に押し付けられることになると主張した。代わりに、消費税よりも逆進性が低く、現役の若い労働者層にとって最も恩恵があるとして、年金保険料や健康保険料の引き下げを提案している。
 しかしこの議論は、社会保険制度の資金がそもそも医療保険や年金を賄うためのものであるという点を見落としている。消費税はもともと、福祉財源として必要だという説明で野党を説得して導入された。しかし実際には、それは法人税から間接税への大規模な税制シフトの一環であった。経済学者のリチャード・カッツが指摘しているように、日本では企業利益がこの期間に増加していたにもかかわらず、法人税の最高税率は1994年の52%から2022年には30%まで引き下げられた。ITスタートアップ企業の若手起業家などを候補者に含んでいたチームみらいのような政党に、法人税の引き上げを支持することを期待するのはおそらく無理があるのだろう。だが、彼らの提案よりも逆進性の低いこの政策は、企業に対して、巨額の内部留保を賃上げや設備投資に回す動機を与えることにもなり得る。
 さらに言えば、チームみらいの提案は社会保険料の引き下げによって生じる財源不足をどのように補うのかをほとんど説明していない。これもまた将来世代に先送りされるのだろうか。それとも、現在の社会保険制度の解体を密かに主張しているのだろうか。彼らは社会保険制度の「重点的な削減」と「政府の効率化」を掲げているが、後者の意味するところは、比較的安定しており賃金も比較的高い公務員をAIに置き換えることである。日本のような保守的な資本主義社会では、高齢者向け社会保障が弱体化すれば、「伝統的な家族観」などを強調する議論が必ず伴われ、若い世代、特に女性に対して、「姥捨て山」にならないよう、高齢の家族を介護するよう圧力が強まる可能性が高い。これも若年層にとって重い負担となるだろう。
 チームみらいは既存の社会問題に対する「解決策」を提示すると主張しているが、多くの問題について彼らが提示するのは、従来型の社会的発想にAIなどのテクノロジーによる解決策を付け加えたものにすぎない。彼らは移民に反対しているわけではない。熟練したソフトウェアエンジニアなど、技能を持つ外国人労働者の受け入れには賛成している。しかし、2月8日付のジャパンタイムズの記事によれば、AIなどの新技術を利用することで外国人労働者への依存を減らしつつ、「日本の治安と文化を守る」と主張しているという。2026年2月の警察庁や政府の各種報告によれば、在留資格違反などの入管関連の違反を含めても、外国人労働者が日本人より犯罪を犯す可能性は低い。また、日本文化がベトナム人、ネパール人、インドネシア人の移民労働者の存在による「差し迫った脅威」に耐えられないほど脆弱だとも思えない。にもかかわらずこのような主張がなされるのは、元AIエンジニアである安野自身が自らの議論の弱点を理解しているからだろう。AIは、政府の「特定技能」制度の対象となっている農業、建設、介護、宿泊業など、低賃金ながら不可欠な労働を担う人々を置き換えるのにはあまり向いていない。これらの分野は低賃金であるため、資本主義社会では、設備費をかけてロボットやAIに置き換えることが容易でも経済的でもないのである。
 安野自身もこの点を理解している。同じ記事の中で、AIによって最初に置き換えられるのは、むしろ初級のホワイトカラー労働者やプログラマーであると認めているからだ。新しい技術は、労働力を削減することで資本家のコストを削減できる場合にこそ大規模に導入される。まだ大量失業には至っていないものの、多くの国でAIの普及によって新規採用が不要となり、採用凍結が起きている兆候がある。そしてこの影響を最も受けるのは若年労働者であり、まさにチームみらいが政策によって取り込もうとしてきた社会層である。AIによって仕事を失うか、不安定なギグ・エコノミーの仕事で生き延びることを強いられる労働者に対し、安野は、「AI技術の進展によって、すべてのホワイトカラー労働者が現在の職を失い、リスキリングを必要とする可能性がある」(2月8日付ジャパンタイムズ紙)と警告しているが、それについての彼の答えは、具体性のないベーシックインカム(とりあえず給付付き税額控除)と公的職業訓練の効率化である。これが彼らの提示する「未来」なのだろうか。
 真に未来志向の政党、すなわち社会主義政党であれば、新しい技術(AIを含み)を活用して労働時間を短縮し、労働者の生活の質を高めることを提唱するだろう。そうすれば過労死や、過重労働に伴うメンタルヘルス上の問題を永久に根絶することも可能になる。しかし現在の資本主義社会のもとでは、AIは解決策よりも新たな問題を生み出す可能性が高い。実際、AI開発を推進する主要な原動力の一つは軍事目的であり、高市政権がAI開発を優先している理由の一つもまさにそこにある。覇権を争う帝国主義諸国が競い合う現在の体制の下では、AIの最も重要な社会的役割は、ドローン戦争システムの制御に用いられることになるのかもしれない。そこには重大な危険が伴う。

サナエノミクス 鉄の決意と揺らぐ基盤2月8日、高市早苗は自民党を率いて衆議院選挙に圧勝し、下院で安定多数を確保した。この結果を、より強硬な外交・経済政策を推し進めるための明確な民意と位置づけている。マーガレット・サッチャーに私淑する姿勢を隠...
06/03/2026

サナエノミクス 鉄の決意と揺らぐ基盤
2月8日、高市早苗は自民党を率いて衆議院選挙に圧勝し、下院で安定多数を確保した。こ
の結果を、より強硬な外交・経済政策を推し進めるための明確な民意と位置づけている。
マーガレット・サッチャーに私淑する姿勢を隠さないが、決定的に異なる点もある。財政
拡張を辞さない「財政ハト派」であることだ。安倍晋三のアベノミクスになぞらえ「サナ
エノミクス」と称するその政策は、赤字財政、国防費拡大、産業政策を柱に「国力強化」
を掲げる。
しかし問われるべきは、これが再生への道なのか、それとも「管理された衰退」にすぎな
いのかという点である。国家の主権、防護、戦略的自律を前面に押し出す一方、生活費高
騰に苦しむ家計への負担をさらに重くする可能性も否定できない。

日本資本主義の現在地
高市政権が発足した経済環境はきわめて繊細だ。過去7年のうち6年で物価上昇率は賃金上
昇率を上回った。2021年以降の値上がりの約8割は、食料やエネルギーといった輸入依存
度の高い分野に集中する。食料価格は2022年初頭から約25%上昇した。実質賃金は1990年
代初頭の水準付近にとどまり、30年近い停滞が続く。
一方、大企業の内部留保は過去最高水準に膨らみ、600兆円を超えた。政府の働きかけに
もかかわらず、設備投資や賃上げへの本格的な還流は限定的である。資金が企業部門に滞
留し、経済全体の循環を弱めてきた。
為替は1ドル=150円を超える円安圏で推移する。通貨安は輸入価格を押し上げ、家計の負
担を直撃する。もはやデフレとの闘いではない。所得が伸び悩むなかでコストプッシュ型
インフレに直面している。
こうした構図のもと、政府支出が成長を下支えしてきた。過去10年のGDP増加分のおよそ
半分は財政出動による押し上げである。賃金主導の拡大ではなく、財政依存型の安定。世
界第3位の経済規模を持ち、国際供給網の中核に位置する日本の動向は、地政学的分断下
で先進資本主義が停滞をどう管理するかを占う試金石でもある。

「経済安全保障」という名の構造的リスク
サナエノミクスでは、産業・エネルギー政策は「経済安全保障」の名で打ち出される。だ
が、構造的脆弱性を強める側面も抱える。
石炭やLNGへの支援再強化、太陽光発電拡大への慎重姿勢、完全電動車よりもハイブリッ
ド車を重視する方針。さらに原発再稼働や核関連技術への期待が前面に出る一方、再生可
能エネルギーは後景に退く。原発再稼働と長期的にはいつか実用化されるかもしれない核
融合によるエネルギー自給自足を掲げても、化石燃料のほぼ全量を輸入に依存する現実は
変わらない。円安下ではその負担がいっそう膨らむ。
対外関係も複雑だ。主要輸出品に関税が課されるなかでも米国との緊密な連携を維持する
一方、中国との関係は悪化している。レアアースや電池部材、クリーンエネルギー供給網
を握る中国への依存は依然大きい。防衛と戦略産業の拡張を志向するほど、供給網の制約
が浮き彫りになる。
半導体や防衛技術、先端製造業への公的投資は一定の依存軽減につながり得る。しかし既
に他国で確立された供給網を国内で再構築することは財政負担が重い。日本の輸出の約8
割が、中国の生産網を経由して米国市場と結びつく現実を踏まえれば、長期的なデカップ
リングは投資と成長の重石となる。
加えて、政策資源は自動車、防衛、象徴的な先端分野に集中する。サービス業や中小企
業、家計需要の弱さは構造的に残る。ハイブリッド車保護は短期的には既存メーカーを支
えるが、世界市場は急速に完全電動化へ移行している。過渡的技術への依存は将来の成長
基盤を狭めかねない。
防衛拡張と産業補助金は恒常的な借入を伴う。生産性と賃金の力強い上昇が伴わなけれ
ば、名目成長の裏で実質所得の停滞が続き、脆弱性はむしろ固定化される。

家計の視点から見た矛盾
有権者の最大の関心事はインフレだ。野党の多くが消費減税を公約に掲げる中、政府は一
時、食料品の消費税を一時的に引き下げる方針を示したが、その実現には後退の気配もあ
る。賃金引き上げについては、首相は民間企業の判断に委ねるとの立場を崩していない。
労働側の交渉力が長期的に低下してきた現実を映す。
結果として、景気刺激策は戦略部門や企業部門に向かい、家計への直接的な緩和は限定的
にとどまる。輸入コストの上昇は生活必需品に転嫁され、実質賃金が伸びなければ消費は
基礎的支出(必需品的なもの)へと収縮し、内需の力は弱まる。
円相場は信認の指標となる。財政拡張と金融緩和が継続すると見るや、市場は迅速に反応
した。通貨安は購買力を削り、エネルギーや防衛装備の輸入コストを押し上げる。為替は
政策手段ではない。国家の信認に対する市場の判断である。円安が続くのは、こんなこと
はいつまでも続けられないのではという疑念の現れである。
国内での政治的強さが、資本蓄積の論理が課す構造的制約を停止させるわけではない。国
債を吸収する金融市場と、通貨を支える国際資本への依存構造は不変だ。赤字拡大とイン
フレ持続のもとで、金利上昇や円安が進むなら、それは単なる技術的変動ではなく関係性
の反映である。国内での政治的強さが、資本蓄積の論理が課す構造的制約を停止させるわ
けではない。
持続を決めるのは政治的優位ではなく経済的成果だ。実質賃金が上がり、物価が落ち着
き、円が安定すれば、サナエノミクスの戦略的レジリエンスは評価されよう。購買力の低
下が続けば、対外的な強硬姿勢も国内の疲弊を覆い隠せない。

資本主義とは緊縮を意味する
国家再生を掲げる構想であっても、財源は市場の評価から自由ではない。借入に依拠し、
通貨安を前提とし、特定部門へ資源を集中する枠組みは、金融市場と大規模資本の規律に
国家をいっそう結びつける。
インフレが収まらず、借入コストが上昇すれば、無制限の赤字は容認されない。帰結は
「財政責任」や「再建」「改革」の名を冠した緊縮となる可能性が高い。
資本主義下では緊縮は均等に及ばない。賃金、社会保障、公共サービスにしわ寄せが向か
い、支配的産業構造そのものは温存される傾向が強い。ここにサナエノミクスの根源的な
矛盾がある。積極国家を標榜しながら、資本蓄積と収益性が定める限界の内部でしか統治
できないという現実である。
最終的な試金石は議席数でも首脳外交でもない。働く人々の実質所得が持続的に上向くの
か、それとも安定の名のもとに調整コストが再び下方へ転嫁されるのか。評価はそこに帰
着する。

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Osaka, Osaka

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