23/07/2026
【備忘録 市民の参画 三重県伊賀市 :令和8年7月23日】
三重県伊賀市は平成16年に1市3町2村が合併して誕生した市である。伊賀市議会は早い時期に議会基本条例を制定したこと(市部では最初)で知られ、とくに積極的な市民参画に取り組んでいることから、今回学びの機会を得た。
伊賀市議会では大分類として「議会報告会(対象:住民自治協議会)」「タウンミーティング(同:市民希望者等)」「地域意見交換会(対象:住民自治協議会)」を定め、実行している。このうち報告会が古くから問い組まれているところで、世情の変遷とともに改良が加えられてきた。当初手法の課題として、執行部施策の説明に終始したり要望会に陥りやすく、日常課題の把握といった本来の目的とベクトルの異なるものになりがちであったとのことだ。このことは我々を含め多くの議会が抱える課題として認識を同じくするものである。
「タウンミーティング」「地域意見交換会」は双方向のやり取りを前提にした意見聴取手法である。タウンミーティングにおいては、KJ法を導入しグループワークからの課題解決を目指しており、参加者の発言機会などにおいて魅力的な成果があるとのことだ。一方で短時間のワーキングで答えを求めてしまい、議会からの施策展開に直結させるにはまだハードルがある。地域意見交換会は住民自治協議会単位で行われており、全39自治協議会を対象に行われている。双方向の概念を活かしながらも、自治協議会との協議でテーマ設定しているから、要望会的な色は出るとのことだ。また対面形式であるから親密性ではタウンミーティングには劣る。
いずれも一長一短がある広聴活動であるが、さまざまなバリエーションを揃えることにより、意見は一定の数が揃う。政策形成サイクルを構成するにはより多くの市民意見を集めることが重要であり、伊賀市議会では議員全体で共有する機会を設けているとのことだ。この際に、「委員会調査に処すべき案件」と判断されたものを活動の原点に据える。
これまで我々が取り組んできた地域別意見交換会はすべての意見に応えることに軸足があり、「政策立案の種拾い」より「ガス抜き」的要素が強かった。正直、そこを始点に政策形成サイクルが動き出すとはいえない。いま、われわれが取り組もうと目指す姿は、「なるべく自然体で数多くの意見を拾いたい」と考えている。その中から顕著な課題が見いだされれば、その時点で市民の日常生活で手が届ききっていない分野と仮定して調査活動につなげる。実現可能かどうか、何をすることにより幸福度が上がるのか。政策形成のプロセスをしっかり組み立てたい。